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【大分市が県産品輸出に向け、海外初の試食会】プロジェクトに関するインタビュー

2024.05.24

Japan Naviは大分市と共同で、「マーケットイン型商品販路開拓挑戦事業」ニーズ調査及び事業検討を目的として、2024年2月28日にシンガポールで大分の特産品の試食会を実施しました。

今回はプロジェクトの実施について、大分市 商工労働観光部 創業経営支援課 販路拡大担当班(海外販路開拓支援担当)能村様と川上様にお話を伺いました。

目次
シンガポールでの試食会の様子

1.今回の試食会の目的と、それをシンガポールで開催しようと決めた理由

日本全国の自治体が海外現地のフェア出店や日本にバイヤーさんを呼んで商談会をする取り組みは、以前から行われてきました。しかし、継続的な取引に繋がらないという課題がありました。その原因として、事業者のこだわり重視でプロダクトアウト事業になりがちだったことが挙げられます。そこで、今回はマーケットインの視点に力を入れていこう、という話になりました。現地の方から求められるものを持って出ていきましょうというのが始まりです。

海外初の試食会の開催地としてシンガポールを選んだのは、日本の食材がある程度浸透し、日本食に対する認知度が高く、土台がすでにできていること、東南アジア市場進出への足がかりとして「ショーケース」の役割を果たしていることが大きいためです。世界各国から駐在で来る方も多く、テストマーケティングを行うには最適な土地であると考えます。シンガポールをゴールとするだけではなく、シンガポールを足がかりにして周辺諸国に広がればいいなと考え、選びました。

2.試食会では、どのような大分市(大分県)の特産品の紹介をしましたか?また選定のポイントを教えてください。

海外での紹介を考える際、大分市のみならず、大分県全域や九州全体を含めてアピールする方が効果的だとの考えがありました。そのため、大分市にこだわらず、隣接する別府市や由布市、臼杵市など、広範囲な特産品を紹介することにしました。

従来であれば手上げ方式で商品を選定するところですが、今回のプロジェクトではマーケットインの視点からアプローチすることになりました。現地で求められている商品を選定するため、今回は、シンガポール在住のJapan Naviの榊原さんに現地でのコーディネーターとして参加していただき、彼の意見も取り入れながら商品の選定を行いました。大分市に限らず関係機関が過去にシンガポールやマレーシアで行ったフェアや商談会の事例も参考にし、特に評判の良かったお菓子や調味料、お酒関連の商品をメインに選定しました。

3.試食会のターゲットとなる参加者はどのような方々を想定していましたか?また、終えてみての感想を教えてください。

当初の計画通り、現地のレストランや小売店関係者に加えて、バイヤーやインフルエンサーの方々にも参加いただきました。試食のみならず、インバウンドの視点も重視しており、インフルエンサーの方々にも参加いただけたことで、思っていた以上に幅広い参加者を得ることができました。

最終的には18社から48種類の商品が集まりました。予想よりも多い商品数にも関わらず、バランスよく商品を選定することができました。積極的な意見や厳しい意見がすべての商品に対して得られ、それがプロジェクトにとって有益でした。今後は、提供された商品の18社にフィードバックを行い、商品を改善して継続的な展開に取り組んでいただきたいと思っています。

他の自治体でのその良い点を参考にしながら、プロジェクトを継続していきたいと考えています。大分の参加企業に対しては、重要なのは「継続性」であるとお伝えしており、1〜2年のフェアだけでなく、長期的な展開を目指し、現地の地元の方々に「この時期にここに来れば購入できる」という印象を与えたいと考えています。そのために、プロモーションを継続して行いたいと思っています。

4.目指していた目的は達成されましたか?

海外での初めての試食会ということで、不慣れなこともり、商品が多くなりすぎてしまった、など心配していたこともありましたが、結果的に求めていたことはできたと思います。

5.Japan Naviと取り組んでみての感想

Japan Naviとの取り組みにおいて良かったと感じた点が大きく2つあります。

1つ目は、現地に拠点を置き、日々の活動を行っている強みを生かしてくださった点です。地元のレストラン関係者やバイヤーとの関係が築かれており、限られた準備期間の中でも多くの来場者を集め、後日商談を展開することができました。

2つ目は、自社メディアを所有していることで、情報発信力が高い点です。イベントの来場者数や商談件数などの成果を報告するだけでなく、イベント後も取材や掲載が行われ、他のメディアにも取り上げられることで認知度向上に役立っていると思います。このようなプロジェクトでは、コンサルティング企業や商社などが候補に挙がりますが、この2つの点で差別化されたと感じています。

さらに、今回はシンガポールの社員の中に大分県ゆかりの方がおり、熱心にプロジェクトに取り組んでくれました。初めての海外での試食会でしたが、彼女の存在は非常に心強かったです。

6.今後の展望や、次年度以降更に期待することをお聞かせください。

今回の目的は、主催者側である私たちが現地を訪れ、レストランや小売店の関係者からニーズをヒアリングし、その結果をもとに求められる商品を把握することでした。

次年度以降は、シンガポールや東南アジアなどの現地の方に大分に来ていただき、商品提案を行いたいという大分の企業の歴史や生産ラインなどを一緒に見ながら、現地で受け入れてもらえる商品について個別に意見交換を重ねたいと考えています。こうしてマーケットインの視点で商品を開発・改良し、再び海外現地の商談会に参加し継続的な商談を行い、3年後には現地のスーパーやレストランなどに大分の商品が並んでいる光景を目標とし、市内の事業者を支援していきたいと考えています。

お忙しい中、インタビューにお答えいただきまして、誠にありがとうございました。Japan Naviはこれからも地方の発展、ひいては日本の発展に貢献してまいります。そのためにも枠にとらわれない地方創生の仕掛けに挑み続けます。


参考URL:NNA ASIAアジア経済ニュース「大分市、海外初の試食会観光の魅力もアピール」

 


●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。

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